「静音!」
先程のことをホテルのスタッフに色々突っ込まれると面倒なので、バックヤードではなく要の元へ行こうと非常口まで来たが、追い掛けて来た玲斗に呼び止められる。
「……何?」
「あ…いや、いきなり転校して、別れも言えなくて。期待は少ししてたけど、まさか、会えるとは思ってなくて…岨聚が来るのは分かってたことだし。」
静音がいるなんて思わなかった。
ここで、会えるなんて。
「別に、二度と会うつもりなかったから。今日は偶然仕事だっただけ。」
本当に偶然だった。
そうでなければ、自分から会うことは絶対に無かったから。
「早く戻らないと岨聚が怒るよ。あの様子じゃまだ諦めてないみたいだし、こうなることは分かってたから。…私は大丈夫だっていつも言ってるでしょ。」
そう言って笑う静音の顔は、昔と変わらず悲しそうだ。
「静音…っ!」
「!あ、玲斗…!濡れるから離して。」
「構わない!…僕は静音が好きだ。ずっと変わらない。昔みたいに逃げたくない、今は君を守れる!……だから、…そばにいてくれ。」
繋ぎ止めるように、逃げようとする静音を玲斗は抱き締める。
先程のことをホテルのスタッフに色々突っ込まれると面倒なので、バックヤードではなく要の元へ行こうと非常口まで来たが、追い掛けて来た玲斗に呼び止められる。
「……何?」
「あ…いや、いきなり転校して、別れも言えなくて。期待は少ししてたけど、まさか、会えるとは思ってなくて…岨聚が来るのは分かってたことだし。」
静音がいるなんて思わなかった。
ここで、会えるなんて。
「別に、二度と会うつもりなかったから。今日は偶然仕事だっただけ。」
本当に偶然だった。
そうでなければ、自分から会うことは絶対に無かったから。
「早く戻らないと岨聚が怒るよ。あの様子じゃまだ諦めてないみたいだし、こうなることは分かってたから。…私は大丈夫だっていつも言ってるでしょ。」
そう言って笑う静音の顔は、昔と変わらず悲しそうだ。
「静音…っ!」
「!あ、玲斗…!濡れるから離して。」
「構わない!…僕は静音が好きだ。ずっと変わらない。昔みたいに逃げたくない、今は君を守れる!……だから、…そばにいてくれ。」
繋ぎ止めるように、逃げようとする静音を玲斗は抱き締める。



