偽悪役者

「玲斗に言われたんです、もう偽らなくていいって。だから、今までしなかったことに全部、勇気出してみました。」


「そっか。仲直りも出来たんだよね。」



「はい。それと同窓会なんですけど、もう一回することになったんです。今度は中学校で。」


「そう!それは良かったね。」



全てに一段落した後、岨聚が言い出したのだ。



静音達3人だけが小学校へ行ったことが寂しかったらしい。


どうせなら中学校でと、許可も岨聚が取りつけた。



「みんなの………椎名さんのおかげです。ずっと心にしまいこんでいたことに決着が着きましたから。これからは、ちゃんと自分を大事にしていきます。」



目を見てハッキリと言った静音の顔は晴れやか。


親友である玲斗ほどではないだろうが、少しは自分も静音の役に立てることが出来たのだろうと椎名はホッとした。



「ついで……と言っては何なんですが、椎名さんに別件で謝りたいことがありまして。」


「え?なに?」



別件………ということは今回のことではないようだが、謝られるようなことは特に無かったはずだと椎名は不思議に思う。


今回の件も謝られるようなことでは無いのだが。