偽悪役者

「それは分かるよ。鏡鵺は僕より長く静音と居たから、取られないように必死だったんだ。同じ立場だったからこそ分かったんだよ。」



玲斗はずっと静音を見てきた。


そして同時に静音を見ている鏡鵺も。



だから、同窓会での岨聚の変わらぬ傍若無人な言動に気持ちが動いたのは自分だけじゃないと、その考えに辿り着けたのだ。



「警察から聞いた岨聚に届いた脅迫状、あれも鏡鵺だろ?」


「え、まじ……?それも分かってたのかよ。」



「あんな支離滅裂な文章は鏡鵺しかいないよ。」



確かに玲斗の言う通り、脅迫状は鏡鵺が作ったもの。



言いたいことは分かるが、纏まりが無い。


それが鏡鵺の昔から変わらない文章だった。



「同窓会の度に思い出してさ。よくよく考えたらさ、中学卒業して丁度10年だったし。なんか余計に、な。」


「余計にって…。というか本当にあの文章、意味不明。何を伝えたかったの?」



年の節目だったから思い立ったらしいが、脅すのが目的ならばあんなにストーカーチックではなくていいはずだ。



「ああ…。岨聚さ、愛されたい病だろ、ちやほやっていうか、自分が一番っていうか。だから。」