偽悪役者

いつも積極的で告白もされたから、玲斗の想いに気付くことが出来た。


ただ、鏡鵺の想いには気付けなかった。


無理もない、鏡鵺はずっと岨聚の傍にいたのだから。



「ごめん、全く気付かなかった…」


「いや。言わなかったの俺だし、玲斗みたいにも出来なかったしな。」



鏡鵺は手すりに背を預け空を見上げる。



「岨聚がお前をハブるって言い出した時、親のこと持ち出しただろ。俺の両親、あいつの系列グループ子会社の役員でさ。逆らう勇気無くて。」


「僕も同じだ。今は引退してるけど、系列の大学病院の医者だったからね。天秤にかけたって言われても仕方がない。」



「そんなこと……」



静音は言いかけて止めた。


実際に天秤にかけたのだ。

玲斗達も、自分も。



「…けど玲斗。鏡鵺だってよく分かったね。」



私はてっきり、とは静音は言わなかった。



ただ、何故鏡鵺が犯人だと玲斗は分かったのか。

それが聞きたかった。



自分でさえ勘違いしていたのだから。



「ほんとだぜ。目的も、理由まで当てやがってよ。探偵かっつーの。」



鏡鵺も驚き過ぎて、我を忘れ叫んでしまったぐらいだ。