偽悪役者

「鏡鵺!どうして…」



静音は訳が分からなかった。


この場に鏡鵺がいることも。

握られているナイフの意味も。

何故自分が襲われたのかも。



「どうしてって……もう後戻り出来ないんだ。だから、全部終わらせるんだ。」


「終わらせるって……玲斗も同じこと言ったけど、終わらせるって何を終わらせるの?分からないよ。分からないけど、とにかくそのナイフ放して?」



「静音!近付くな!鏡鵺の目的は君を殺すことだ!」


「え?玲斗…何を言ってるの?鏡鵺が私を殺す?」



ナイフを取り上げる為に差し出した手は、理解不能な言葉によって行き場を失う。



「だよな、鏡鵺。そしてお前が岨聚を突き落としたんだ。」



確信を持って断定する玲斗。



「鏡鵺が岨聚を?何の為に?」



やっぱり静音は訳が分からない。


しかし、それは篠宮達も同じ。



「(なんか凄い展開になってますけど、どうしたらいいんですか?)」


「(仁科さん達が来るまで待機だ。ナイフ振り回されたら敵わない。)」



「(だが織端玲斗は何か知っているようだな。)」



応援の仁科が到着するまで、3人の動向を見守るしかない。