偽悪役者

「柊さんは氷室さんが嫌いかもしれない。同窓会で会ったことがきっかけで、あの頃を思い出し気持ちが暴走してしまった。だから、柊さんが氷室さんを突き落としてしまったのではないか。そういうことですね?」


「「はい……」」



仁科の確認に頷く2人。


しかし、厄塒はそれに同意が出来なかった。



3年前のことがあるからか、部下だったから信じたくないのか。


そのどちらかは分からないが。



「話をしていただきありがとうございました。また何かあればお願いします。」


「はい…」



静音の不可解な言動の理由が分かり要はホッとする。


気持ちが顔に出ているようで、琅提はどこかスッキリとした表情だ。



「遅くにすみませんでした。」


「いえいえ。こちらこそこんな時間にご足労いただきまして。」



雅がチラッと、つられて仁科も見た時計はもう20時20分を指していた。



「はぁ?見失った?!バカヤロウ!すぐ探せ!」


「どうかしました?」



2人の見送ろうとした直後、厄塒の怒号が響く。


通話を乱暴に切った携帯を恨めしそうに睨み付けた。



「卍擽からです。千影鏡鵺が消えました。」