偽悪役者

「貴女とは今から絶交よ。柊さんって呼ぶから岨聚様って呼びなさい。皆もそうして。」


「そ、岨聚?なんでそんなこと言うの?」



無表情に命令口調で言った岨聚に、静音は何が何だか分からない。



「そーだぜ、岨聚。意味わかんねーよ!」



「なんで静音だけなのよ?」


「静音のこと嫌いになっちゃったの…?」



「み、皆仲良くしよ。ね、岨聚?」



鏡鵺は叫び、雅は怒り、琅提は泣きそうになり、玲斗は何とかしようとする。


しかし。



「私のパパは偉いの。だから私の言うことは絶対なの。私の言う通りにしなかったらパパに言って皆のパパとママ、クビにするから。」



これにはクラスメイト全員が驚いた。


このクラス、いやこの学校に通うほとんどの児童の両親が、氷室財閥の経営する企業に勤めている。



だから、子供の言うこととはいえ、本当にそうなることはあり得ないことではない。


何故なら、総帥は岨聚を溺愛しているから。



両親の仕事が無くなることがどういうことか、分からない歳でもない。



誰も反論しないまま、岨聚は静音に言い放つ。



「大っ嫌い。」



そして地獄が始まった。