偽悪役者

「今日からこのクラスの仲間になる織端玲斗君です。」



3年生の春、玲斗が転校して来た。



「よろしくね!」



「私は岨聚。仲良くしてあげても良いわよ。」


「岨聚は金持ちで、家もでっけーんだぜ。」



真っ先に自己紹介をした岨聚は、少し顔を赤らめながら手を差し出した。


鏡鵺は両手をめいいっぱい使ってジェスチャーをし伝えようとする。



「鏡鵺うるさい!岨聚は岨聚だもん。」


「静音の言う通りよ、黙りなさい。」



「でた~静音と雅のイイコちゃん~」



お金持ちを強調し、からかう鏡鵺。


怒った静音と雅は注意するが、鏡鵺は更にふざけ面白がっている。



「玲斗君…、私は琅提。こっちが静音であっちが雅。」


「え~俺は?」



「これからよろしくね。」



鏡鵺を注意するのに忙しいからと、琅提は自分と2人の代わりに自己紹介をした。



「ちょ、琅提までヒドくね~」



「ほんと、うるさいわ。」


「「「ねー」」」



地団駄を踏みながら声をあげる子供の鏡鵺に、女子4人は同意見、さながら井戸端会議主婦だ。


玲斗は5人のやりとりに圧倒されながらも笑って聞いていた。