偽悪役者

「「あ。」」



19時30分。


仁科と厄塒は別行動のはずが出会い、顔を見合わせ声をあげた。


何故なら雅と琅提の行き先が同じ、そして見慣れた建物だったから。


そう、ここは警視庁。



「あ、仁科さん。こちらの方達が氷室岨聚さんの事件のことでお話があるそうです。」



尾行しているなどとは露知らず、受付が出入口にいた仁科に話し掛けた。



「どうぞ。」



「ありがとうございます。」


「いただきます。」



2係の隣にある会議室に雅と琅提を案内する。


お茶を運んだ遁苺と入れ代わりに、仁科の要請で要が加わった。



「で、話というのは?」



「静音は悪くないです。」


「私達が原因なんです。悪いのは私達なんです。」



「それはどういう意味ですか?」



悪くないと訴える2人の目には、涙が滲んでいる。


感情的になりそうなのを、要は努めて冷静に質問をした。



「静音は私達を恨んでる。でも静音は優しいから、今まで何も無かった。」


「だけど再会してしまったから。3ヶ月前の同窓会で。だからきっと…」



だからきっと。


岨聚を突き落としたのは静音なんです。