「織端玲斗の方は?柊からは連絡、入ってますか?」


「ああ。業務連絡だけだがな。ただ、織端玲斗からは何も聞かれないみたいだ。」



篠宮や要が電話に出ても、静音は必要最小限のことしか話さない。


篠宮は話の流れから推察して仁科に報告する。



「4人共怪しさは増してますが、決め手に欠けますね。」


「そうだね。静音が話してくれたら一番良いんだけど。」



報告してもらった事をメモった手帳とにらめっこする仁科に、同調する要も困り顔だ。



「ちょっと!男前がそんなに辛気臭い顔しない!」


「そうですよ!ここでブレイクタイムといきましょう。」



澱んだ空気を一掃したのは、幡牛と遁苺の元気な声とコーヒーの良い香りだ。



「男前って俺のことっスか?」


「安心しなさい。絶対違うわ。」



ふざける羮芻に、轢夲は意地悪い顔をして一刀両断した。



「うぅ~ん!おいひ~」



橘の口の中でトリュフがとろける。



「うまっ!君が作ったの?」


「いえ、それは幡牛さんが。私は料理苦手なので。」


「そう…なのか?人は見かけによらないな。」



羮芻と同じことを卍擽も思ったらしい。