「その後どうです?」



静音が重要参考人になった事を玲斗達4人に告げてから2週間が経った。



「蒜崖雅と伽虐琅提はかなり動揺していますね。大きなものはありませんが、小さいミスは多々あります。」


「時々2人で話し込んでるし、ものすご―く怪しいです。」



偽情報とは露知らず、都澄の囮作戦に過敏に反応した雅と琅提。


椎名と橘から報告を聞いた仁科は笑顔で頷き満足気だ。



「千影鏡鵺の方は、…正直よく分からない。」


「珍しいー。来栖さんがハッキリしないなんて。」



「悪かったな。だが、生活リズムに特に変わった様子はないんだ。ただ何故か、以前にも増して仕事熱心になった。」



一方鏡鵺は、2人とは違いミスも無く支店長として仕事をこなしている。


取引先に行く以外は部屋にいることが多かったのに、副支店長や部下の指導に熱が入る程に。



「怪しいといえば怪しいが……」


「仕事に熱心なのは良いことですよね。」



変化があったことは事実だが、それが静音が重要参考人になったと聞いたことと関係があるとは言い切れない。


因果関係が不明過ぎると、頭を掻く厄塒と、同時に卍擽は感心する。