偽悪役者

人気の無い夜の小さな公園。


琅提と雅は焦っていた。



「どうしよう……静音が警察に捜されてる。」


「どうもこうもないでしょ!…私達のこと、警察になんて言えるわけないし。」



「だけどこのままじゃ、静音が捕まっちゃうよ……」



静音は大切な友達だ。


岨聚も鏡鵺も玲斗も。


大切だ。



「静音を診療所に誘うだなんて、まったく玲斗は何を考えてるの!?岨聚が目を覚ましたら大変なことになるの分かってるはずなのに。っていうか、鏡鵺も鏡鵺よ。見舞い、一人で行ってるみたいだし。訳分かんない。」


「玲斗は信じるって言ってたけど、鏡鵺は電話に出てくれないし………どうすればいいかな…?」



「ほんと、どうすればいいのよこの状況。……どうすればよかったのよ、私達…」



助けたくて、状況を変える術はいつだってあるのに。


実行出来なかった、……いや、実行しなかったのは、自分の為。



偽りは、誰の為でも無かった。



「雅……同窓会、楽しかった。静音がいればもっと楽しかったよ。」


「そうだね。」



上辺だけの醜い同窓会よりも、きっと。




覚悟は要らない。

勇気だけだ。