偽悪役者

『鏡鵺と雅と琅提の4人で、岨聚の見舞いに行ったんだ。静音もさ、見舞いに行かないか?あいつらとは顔合わせづらいだろから2人で。』



「…見舞いはいい。岨聚も来て欲しくないだろうし。特に、私と玲斗の組み合わせだと。」



これは、静音の本心だった。



岨聚は静音が嫌いだ。


その理由を静音は知っている。


いや、玲斗達4人も知っている。



自らの行いの動機も理由も、それによってどうなるのかも。



それが周りから見ればいじめでも、静音は何も言わなかった。


玲斗達も言わなかった。



純粋で純情で、気持ちに素直だったからこそ、ぶつかり合うことを恐れ上辺だけを取り繕った結果だ。



心は子供のまま身体だけが成長して、一向に等身大になれやしない。



『分かった。……話変わるけど、今フリーなら診療所で働かないか?今募集してるんだけどなかなかで。受付と事務だから資格が無くても大丈夫なんだけど。どうかな?』


「……ずっと出来るか分からないけど、それでもいいなら。」


『ありがと、助かるよ。』



半強制的に担当になってしまいどうしようかと思っていたから、玲斗の申し出は有り難かった。