刻は静音の過去から現在に戻り、時計の針は午後9時35分を指している。



都澄がもう遅いからと追い出す形で、足取りの重い2係の面々を無理矢理帰路に着けた。



「話したこと、後悔してるか?」



「多少は…そう思わざるを得ません。」


「皆のあんな顔見てしまったら、余計にですよ。」



都澄の問いかけに、何となく帰るタイミングを失った篠宮と要は苦笑いで答える。



全員口を挟まず聞いてくれていたのだが、年齢が近いせいか耐えきれず橘と遁苺は涙を浮かべていた。



「季更津は確か、服役中だったな?」


「はい。季更津馨鶴亮以下、会鎌の経営兼店長の痴愚思留釣恣、店長補佐の箭蛙膏嗽の重役3名は、売春斡旋で逮捕起訴されましたから。」



客入りが良かった理由については、キャバ嬢達にお客を誘わせて美人局の要領でお金を巻き上げていたという確認が取れた。



キャバ嬢も自ら加担していた者も多少はいたが、季更津や痴愚思から脅されたり、借金等の為に仕方なくといった感じが大半であった。



内情を知らされていなかった拐袂苔駕を始めとした従業員は、情状酌量の余地があると認められ、それを含めた判決が下された。