「好きな子に嫌われないためにもちゃんとしなさい、ちゃんと」
「す、好きな子じゃねーよ……!」
くそっ。
お袋と姉貴にバレるのはかなり嫌だけど、この際だから仕方ねー。
「彼女だよ……彼女!両想いだっつーの!」
「「えっ!?」」
失礼なことに、お袋と姉貴は驚いたように目を見開いた。
同じ顔が2つ並んでて、イライラが倍増する。
くそっ。
なんなんだよ、こいつら。
姉貴に至っては、口からご飯をこぼしてやがるし。
「あ、あんたにもついに彼女が?やっとマジメになったのね」
「やっとってなんだよ」
目を瞬かせながら言う姉貴にイラッとする。
だから嫌だったんだよ。
「中学の時、何人もの女の子が家に押し寄せて来て、かなりの修羅場になったことを忘れたとは言わせないよ」
うっ。