気のせい……だよね?


大丈夫だよね……?


琉衣のささいな反応が気になる。


こうやって顔色をうかがうことも、多くなったかもしれない。



「んな顔すんなって。大丈夫だから」



「う、うん……」



言いようのない不安が胸に押し寄せて、心が闇に呑み込まれて行く。



このまま……何もかもを忘れちゃったら。



そう考えると怖くてたまらない。


たちまち涙が溢れて視界が歪んだ。


泣いちゃダメ、泣いちゃ。


これくらいのことで泣いてたら、先が思いやられるよ。



ーーギュッ



「大丈夫だから」



大きな琉衣の手がギュッと絡みつく。


それだけで、不安が徐々に晴れていった。


不思議。


あったかくて気持ち良い。



「心配すんな」



うん。


大丈夫……だよね?



「ありがと」



瞬きを繰り返して涙を乾かす。


琉衣には助けられてばっかりだ。