使用人が持ってきた料理は,真っ黒な…

「トマト??」

のサラダと,黄色い…

「魚??」

だった。
匂いを嗅いでみるけど,変な匂いが鼻に突き刺さる。

フォークで突っ突いて,食べようか迷っていた時,ドアがノックされた。

「はーい…」

フォークを持ったまま,ドアを開けた。

「すいません。
間に合いませんでした…」

ドアの前には,おぼんを持ったレオンが立っていた。

「料理,食べちゃいましたか?」

「ううん,まだ。
今,食べようか迷っていた所♪
それ,レオンが作った料理??」

カグヤは,レオンが持っているおぼんを指差した。

「はい。
使用人が持っていくより早く,持って行こうと思ったんですけど…
間に合いませんでした」

眉を下げて笑うレオン。
まるで捨て犬のような顔だ。