「みゆ………?」
いつも通りの放課後。
数学教室に着くと
みゆが寝ていた。
テストのあとで疲れたんだろうけど………
「無防備に寝るなよ……。」
みゆと付き合ってもう半年。
柊にからかわれても仕方ない。
俺は未だにキスもできていない、ヘタレだ。
機会がなかったわけじゃない。
でも
みゆの、あの、純粋で透明な瞳と視線が絡むと
そんな余裕、なくなっちまうんだ。
嫌われたらどうしよう。
また春多に取られたらどうしよう。
……なんて。
意気地なしだけど。怖いんだ。
一度失ったぶん、また、みゆを失うのが。
でも、今回は………