ずっと翼咲と一緒にいたい。
だが、翼咲の偏差値に樹乃が届くはずもなく別の学校を余儀なくされたのだ。
当時は、入れないと決まった時から1ヶ月は凹んでいた。
樹乃は決して頭が悪いわけでは無かった。
…勉強は嫌いだったが。
翼咲が良すぎるのだ。
頭脳明晰な白澪 翼咲
運動神経抜群の朽葉 樹乃。
容姿端麗な2人は誰からも一目置ける存在であった。
足して2で割ったら丁度いいのにとよく言われたものである。
それもそのはず実は翼咲は運動が、樹乃は勉強が全くダメだ。
だから二人で一人で、文武両道なのだ。
「よし、これでいいかな?」
「翼咲がやるとはっやいなぁ~」
「自分でやりなさいよ」
また呆れながら笑う。
樹乃はこの笑い方が好きだった。
ほわっとした暖かいものを感じるからだ。
「幸せ………」
「何か言った?」
「ううん。なんでも!!」
この幸せが、いとも容易く崩れさるとは誰が知っていただろうか。
