お前に救われたなんて…〜暴走族と臆病な男の子のお話〜




未彩side


『未彩…俺は、さ…お前のこと―』



「ごめん、付き合わない」









『…頼ってよ。力になりたいんだよ』



「何言ってんの。じゃあさ、昨日の夜どこ行ってたわけ?」



『昨日の、夜?…ごめん、覚えてない。ふわふわしたのは覚えてるけど』




「は?嘘つくのも大概にして。もういい」








「…薬、やってるよね」




『違う、俺は―』





「さよなら」





『ちょ…待って、違う!……クソ』








これはあたしの記憶の片隅にある本当に起こった一部の記憶。