お前に救われたなんて…〜暴走族と臆病な男の子のお話〜




心湊side




スー……ハー




スー……ハー





コツコツ









私はいつもの部屋に入る。






「…大丈夫ですか」







私はひざまずいて、応答もないのに今日もまたあなたに話しかける。







「取り替えましょうか」








カチャカチャと無機質音だけが響く。









ジーと四方八方のカメラが私たちをうつす。







コンクリートで固められて窓なんてこの部屋には一つもない。