お前に救われたなんて…〜暴走族と臆病な男の子のお話〜





「光志、なにかしたか?」





藤君が僕を覗き込んできた。






「いや!何でもない」






不意に立花君と目が合った。






立花君が僕をじっと見るから思わず下を向く僕。







「朝霧」





「は、はい!!」





低い声で呼ばれてバッと顔を上げると目の前に立花君。






すると立花君は僕の顔を手で挟んだ。





「む」





「お前、何処かで…」






へ?





「僕に、なひかついてまふか…?」