お前に救われたなんて…〜暴走族と臆病な男の子のお話〜





「そんなの抜け出せばいいだろ」





「小鳥遊はなー、抜け出したら倍になって帰ってくるぞ。めんどくせえ。」





「藤快斗、川原翔馬と友達か?」





あ、僕にも質問してきたことだ。




「快斗でいいし。まぁ、友達でもあり、良きライバル的な感じ。それが何かしたのか?」






「いや、別に。」





「はあ?聞いといて興味なしかよ」






「火埜って知ってるか?」







「火埜?さあ?なあ光志、知ってるか?」







いきなり振ってくるのでびっくりした。





「火埜…火埜…」






頭でなにか引っかかるけれどその何かが思い出せ…







あ。











「知らないならいい」








その言葉で喉まできてた言葉を無理やり飲み込んだ。







火埜…僕を殴った人達だ。