お前に救われたなんて…〜暴走族と臆病な男の子のお話〜





「立花すげえな、初めてだ。こんなに強いやつに出会ったのは」






「別に」






さっきまでバチバチだった藤君と立花君はどこへやら、もうそんな雰囲気じゃなくなっていた。







「つうか、授業サボっちゃったじゃん。立花のせいで」





「は?お前が喧嘩腰だからだろ」







「立花が喧嘩を売ったんだろーがー」





口喧嘩のようだけれど全然…むしろ藤君笑ってる。





和やかな雰囲気だ。






なんか…良かったのかな。






「光志もなんか言えよー。あーあ、怒られるわ。一時限目の先生誰だか知ってんのか?」






「さあ」






「古典…小鳥遊先生」








小鳥遊先生は古典の授業の先生で、おじさん。


小鳥遊先生はとても厳しい先生だ。





「今行っても反省文は書かされるだろうなあ」




最悪だ。