お前に救われたなんて…〜暴走族と臆病な男の子のお話〜






立花君はため息をつき、電話に出た。





「なに」






「…あぁ、よろしく」



そう言って電話で誰かと話し出す隙を狙って藤君に話しかけた。






「大丈夫…藤君、顔が」






藤君の口が切れて血が出たり、パンチをくらって頬が赤くなっていたり…。







「立花、結構強えな」





「当たり前だろ」





電話が終わったのか、携帯の画面は消え真っ黒になっていた。




「立花…」





「お前もなかなかやるな、まあ、俺は100%出してないけど」






「は?まじで?」






藤君と僕は目を見開いた。