お前に救われたなんて…〜暴走族と臆病な男の子のお話〜






立花君の「来いよ」の声とともに藤君が立花に襲いかかる。





僕は見てられなくて、顔を手で隠した。








怖い怖い








ドスとかバキとか聞こえるよ…







誰かふたりを止めて!!






ピリリ…ピリリ…




その願いが届いたかのように誰かの着信音が鳴った。







でも、まだ殴る音が聞こえるから無視して殴ってるんだ…。






でも、着信音はまだ鳴り響く。







「立花、もう携帯でろよ」





殴る音だけがする空間の中で最初に言葉を発したのは藤君だった。