その声に肩が激しく上下する。
い、いま・・女の人の声がっ・・
そこの道はガラの悪い人が喧嘩とかしてるから近づかない様に。と何度も親から言われた。
で、でも、女の人が助けを確かに呼んだのを僕は聞こえた。
周りを見たけどいつもと変わらぬ店のおばちゃん、変わらぬ他愛のない会話。
誰もこのかすかな助けを呼ぶ声に皆は気づかない。
・・どうしよう。
これは、助けに行くべきか・・。
いやいやいやいや、僕はそんな勇気全くといっていいほど持ち合わせていない。
でも、ここで助けなかったらあの声の主の人はどうなる?
あの道の奥でどうなっているかなんてわかるわけがない。
最悪の場合、その人の人生が無くなる・・死んでしまうことだって・・。
この道の事だから命が関わることだってあり得なくない。


