お前に救われたなんて…〜暴走族と臆病な男の子のお話〜

光志side




『み、や…と』




みやと


み、やと


みや、と




「…おい!光志!聞いてんのか!」





「っ!あ、えーっとー…」




机をバンと叩いた藤君。





「朝っぱらからボーッとして、寝不足か?ちゃんと寝てんの?」




「も、もちろん!!しっかり寝てるよ」





いや、まだ倉庫で生活というのに慣れてないせいか、落ち着かず寝れてはないけれど




今不審な行動をすると鋭い視線が飛んでくるから嘘つかないといけない。





ごめん!藤君!!





それ以前に、総長室?で意図的に耳にした訳では無いけれどほんと偶然に小さく聞こえた




『み、や…と』






総長室ってことは橘…立花君なのだけれど少し、いやすごく頭に残って離れてくれない。






それで寝不足というのも一理ある。






「今日、体育あるから着替えに行こうぜ」