お前に救われたなんて…〜暴走族と臆病な男の子のお話〜







朝霧の周りの人を記憶しようと頭に叩き込んでいると





視界が何かに遮られ、その時、真上から声がした。








「立花君って、どこから転校しに来たのー?」







「こんな時期に転校だなんて珍しいよねー」







なんて見知らぬ女の声が複数名聞こえた。






「あたしね――――――」




「私の名前はね!――」







なんて同時に言うから何言ってるか知らないし、どうせ此処に来た目的は朝霧の護衛。







同クラスなんて覚える必要はない。






あたしは、女子の輪から抜け出して朝霧の所に行った。








朝霧はまだ藤快斗と話していたようで、あたしが朝霧の目の前に立つと驚いた顔をした。







「あ・・あの・・」








「屋上に来い」







「これから授業だけど?いきなりなに?」