お前に救われたなんて…〜暴走族と臆病な男の子のお話〜





ふーん、あっそ。





でも、こいつは見た目身体能力も頭もずば抜けて良いとは思えない。





別に此処に入れてもいいけど、灯篭として足を引っ張ることは阻止したい。






拉致とかコイツ弱い顔してるからすぐ捕まりそうだし、ホイホイついていきそう。








…やっぱり納得できない。







コイツがここに入ることに。







「納得言ってないようだけど、決定事項だから文句言っても変えないつもり。それに、コイツは未彩にとって必要不可欠な人物って言ったよね?」







こんなひょろひょろとして臆病としたコイツがあたしに必要不可欠なんて有り得ない。





何でコイツがあたしにとって必要不可欠なのか調べる価値もあるな…








暇つぶしにはなるか…





「別にいい」







「え!?」






そんな声を出したのは朝霧なんとかというやつ。






「な、な、なんで。こんな僕が…」






あぁ、こいつも知らないのか。






自分が灯篭に入る理由。






あたしの好奇心が少しだけ上がった時だった。