お前に救われたなんて…〜暴走族と臆病な男の子のお話〜





「おはよ…」




小さく返すと総長席に座った。






ここの族はほかの族と違って互いを無意味に深く干渉しない、領域に入らないので有名。




まぁ、それでも、なんでもやっていいってことは違うけど。




なんか矛盾してるような気もする。





まぁ、ちらほらそれを気にしないで入ってくる奴がいるが。






「昨日、未彩は不在で、幹部だけでこの子について説明したけど改めて説明する」



斬はちょこんと座っている男を見ながら言った。




「この子の名前は朝霧光志。今は怪我してここに泊めてる。そして、ここの新たな灯篭の仲間となる人物。」






「は?」



その声は勿論あたし。




聞いてないし、怪我を治したら捨てるってそう言ってた斬。





まぁ、聞いてないのは当たり前か。





「斬、お前昨日治ったら捨てるって…」




睨みつけながら言うと




「急遽決まったこと。僕達の顔も見られた事だし?」






なんでそんなコトでコイツを灯篭に入れなきゃ行けねえんだよ。






どうせ何も出来ないくせに、逆に邪魔にすぎない。






「これは決定事項だよ、未彩。それに、皆一応納得してもらったし。」