お前に救われたなんて…〜暴走族と臆病な男の子のお話〜





あ、僕とさっき会った人。



そして僕をここに連れてきた張本人だ。





「なんでコイツなんかに俺が優しくしねーといけねーんだよ」






「だから、一応お客さんなんだからさ、ね?どいて」






「お、い!」




そう言うと無理やり鷹さんという人に変わって斬さんが手当てをし始めた。





「ごめんねー、手当て下手くそで。痛かったでしょ?でも許してやってね、根はいい奴だからさ。」




斬さんはあの笑顔で僕を見た。





「あ…はい。」






僕が鷹さんに目を向けるとチッと舌打ちして部屋を出て行った。





「はい、終わり。」






「じゃぁ、僕救急箱置いてきますね。」







そう言って颯さんは救急箱を持って部屋を出ていった。