「…な、何か僕の顔につ、ついていまふか…!」
あ、やばい、声が思うように出なくて噛んでしまった。
「…ぷっ、…あ、すみません。つい」
鷹さんと言われる人の隣で颯という人はクククと笑いを押しこらえている。
穴に入りたい…。
顔は絶対真っ赤だ。
勿論羞恥心と怒りで。
「まぁ、こんな奴が救ったとはとても考えにくいけど一応手当しよっかー。颯。」
ハイッというと颯という人はすぐさま救急箱を持ってきた。
今の言葉はどういう意味?と聞きたかったけれど、僕も助けた記憶もなく何か反論されても言えないと思い言葉をのんだ。
「しみると思うけど我慢して」
ぶしゅっと傷口に消毒液を思いっきりかけられた。
「いっ……」
なんとも耐え難い痛みに体を丸める。
出来ればもっと優しく…手当して…。
「鷹ー、もっと丁寧に扱いなよー。一応客なんだからさ。」
「斬さん…」


