お前に救われたなんて…〜暴走族と臆病な男の子のお話〜





「誰の命令?」




「誰の命令でもないけど、どうして?」






「お前が拾ってくるなんて有り得ないから」







「酷くない?」






まぁ、当たってるけど。






「ふーん、いつ捨てるの?それ」






「捨てるだなんて。まぁ、一応傷が癒えるまで?」






クスッと笑いながら言うと眉間にしわを寄せる未彩。







「今すぐ捨てろ」







「捨てる?なんで?」





この人は今ここの族に必要不可欠だから連れ去ってきたのに捨てたら意味無いじゃない。






「お前、コイツの何か知ってんのか?」






「何も?」







ただ臆病だけってことぐらい?





後は今の僕らにとって必要不可欠ってことかな。