お前に救われたなんて…〜暴走族と臆病な男の子のお話〜






ふわふわな気持ちになりながらまた帰路についた。






ふと足を止めた先は、昨日の路地裏に続く道。







そして、藤君に言われた事を思い出した。




昨日の悪いヤツに会わない確率なんて100%無いけどまたソイツが悪いことをしてたら…なんて考えてしまう。





いや、でも、僕はソイツに会ったら殺される。







僕はカバンを強く抱きしめて早足で帰ろうと足を進めた…はずだった。








でも足が出なかった。








なぜなら








「お前、昨日のヤツだよなあ?」







たった今ソイツに会ってしまったから。