お前に救われたなんて…〜暴走族と臆病な男の子のお話〜


ここにきた目当てのものを手に取り、総長室へと足を進めたが扉の手前で足を止めた。




何も言わないでここ(幹部室)を出ようかと思ったけど、やっぱりアイツに一言言わなきゃ気が済まない。



「朝霧」





「…はい。」




振り返ると怯えた表情をする朝霧が目に止まった。



そして、朝霧の向こうに「余計なことを言うな」と言わんばかりに睨んでくる斬がいた。




それでも言いたい。



勝手な行動をしている朝霧に。




それも目をつけているやつと毎日だと?




ざけんな。



お前はなんのために護衛があると思ってるんだ。









「お前の身に何かあっても、…ぜってぇ助けねえ。」





護衛を分からねえ勝手な行動ばっかしてる奴に「助けて」と言われても、都合よく助けるほどあたしらは暇じゃない。



お前の勝手な行動にどんな危険があるか。




いっそ、捕まって味わえばいい。





「未彩」



あたしの名を呼ぶ斬はとても怒っている。



これは、斬にとって「余計なこと」だからだろう。






「お前みたいな勝手な奴に灯篭が振り回される義理はない。」





あたしはそう言い捨て幹部室を出た。