「頭にかかと落としに締めに股間か・・面白いなお前」
といってスタッと僕達の立っている地面に足をつけた。
「・・えー・・と・・」
僕は顔を引き攣らせて視線を逸らすしかなかった。
だって・・目が・・怖かった。
その人は僕にコツコツと近づいてくる。
「あ・・の・・」
そういうとその人は僕を通り過ぎて後ろに居る女の人に声をかけた。
「・・大丈夫か?ほら」
そういってその人は着ていた黒いコートを女の人の肩にかけた。
「俺の連れが来るからソイツと帰りな。もう男に捕まるなよ」
「・・こ、怖かっ・・」
そう言って女の人はその人に抱き付いた。
安堵の表情で泣いていた。
・・良かった。と思った。
そう思うと自然と頬が緩む。


