お前に救われたなんて…〜暴走族と臆病な男の子のお話〜





「…別に」





入ってきたのは紗那と颯。




あたしは総長室に戻ろうと席を立った。






「あ、あの、未彩さん。これ…」





颯が渡してきたのは資料。






「未彩の言う通り、前回潰したのですが…まだ誰かが復活させてました。」






「…火埜、ね」





火埜も懲りないな。






「また潰すの?」






あたしに聞いてきた紗那。






「酷くなったらそのうち。颯、復活させたやつ、調べといて」






「りょ、了解です!」






酷くなったら…。





これが悪い判断だった。






すぐに、潰しておけばよかった。と思うのはもっと後の話。