〝コンコン〝


「失礼します。お嬢様朝でございます。」


にこやかなメイドに起こされる。


結局一睡なんてできるはずもなく朝を迎えてしまった。


「お嬢様…顔色が…」


心配そうに見るメイド。


「大丈夫。少し勉強しすぎただけだから。」


「そう…ですか?勉学も大切でしょうがお体のほうがお大事ですよ?無理なさらないでくださいね。」


「えぇ。」


制服に着替えて下へ降りる。


「真琴おはよう。」


「…。」


「真琴挨拶は?」


お母さんに言われてもしたくない。


お父さんにおはようと言われても返したくない。


黙って食卓を通り過ぎる。