家に着いた頃私は疲れ果てていて、

一目散に椅子に向かった。


こんな時、柔らかい羽毛布団やソファがあればいいのだけれど、

私はこの木製の椅子が1番心地よい。

かすかな木の匂いが癒してくれるから…



しばらくして、

アマリリスから貰った手紙を置いてきてしまったことに気づいた。


唯一あるアマリリスの肩身のようなものなのに、と私は後悔した。



「 みんな…どうして… 」



今まで溜めていた涙がやっと外へでたように、

私はボロボロと涙を流していた。


とぎえることなく、次々に涙が出る。



みんながアマリリスの記憶を忘れてしまったこと。

そして何よりも、

アマリリスが私の目の前から消えてしまったこと…



悲しくて、悔しくてしょうがなかった。