向日葵「……星藍は、もう彼氏じゃない」



ボソッとそう呟いた向日葵の瞳が、スーッと冷たくなっていくのがわかる。



琥珀「…別れたのか、?」



恋人らしい。と訊かれれば、そうでもなかったが、少なくとも星藍は向日葵を溺愛しているように見えた。



向日葵「(コクン)」



信じられないような目で向日葵の返事を待つが、向日葵は一つ頷いた。



…それは肯定を意味した。



本当だったら、なんで別れたのか。とか訊きたかったが、今はそれどころじゃない。



向日葵「……ねぇ、琥珀…。」



…普段の向日葵なら、俺はちゃんときっぱり断っていた。



でも、今の向日葵は今にも壊れそうで、強く言う事を戸惑った。



……本当なら、いけないことはわかっている。



俺たちの間に恋愛感情なんてものはなく、ただ向日葵はそういう行為で必要とされようとしているだけだって。



それでも、俺は…



琥珀「……後悔、すんなよ?後で文句言っても知らねぇからな。誘ったのはそっちだ」



今にも離れて行きそうで、消えてしまいそうな向日葵を放っておくことは出来なかった。