ガラガラッ
軽い引き戸を開け、いつものように空き教室へと入る。
中は一応授業中なのにも関わらず、騒がしい。
その為、教室のドアが開いたことにさえ誰も気がついていない。
というか、興味がないだけか。
俺と陽向は自分のクラスには行かず、直接ここへ来た
初夏である今は屋上が暑く、クーラーが効いている空き教室が溜まり場となっている。
むしむしとしていた外との気温差に眩暈がしそうになるが、教室のドアを閉め、目的の人物たちの元へと歩いた。
天「あ、おはよう。琥珀、陽向」
丁度天の真正面から来たため、真っ先に気付き、挨拶をされる。
そんな天の言葉に、固まって話していた全員が俺たちのほうへ顔を向け、次々と挨拶をした。
俺たちも適当に返しながら、空いているスペースに肩から鞄を下ろして座った。
神楽「陽向ー、琥珀ー、聞いてよ!
斗真さん、すっげー不機嫌でさ〜!!
2年の僕たちまでとばっちり受けたんだよ!?」
紫月「今日は琥珀だけでなく、陽向も覚悟しておいた方がいいかも知れませんね」
琥珀「あー、大丈夫。俺はさっさと帰るし」
陽向「えー?そうなの??
んじゃ、俺も怒られたくないし、さっさと帰るわー」
そんなことを平然と言った俺たちに、彼方たちは苦笑いする。
確かに斗真は青星の先代だけど、俺たちは元々いるわけじゃないし、特に慕っているわけでもない。
だからまぁ、反論出来るんだけど。



