??「……く……こは…………琥珀っ!」
琥珀「っ…!?………陽向?」
目の前の人物に揺すられて目を覚ました。
始めはぼんやりとしていて、よく見えなかったが、その人物は陽向だ。
陽向「陽向?じゃ、ないよ!
遅刻するぞ!!」
陽向にそう言われ、慌てて枕元のスマホを見る。
…8時50分。
琥珀「…って、完全に遅刻じゃねーかよ!」
SHRは8時40分。
つまり、もう既に遅刻だ。
琥珀「はぁ……。
彼方たちは?」
脱力して、再びベッドへと沈み、目だけ陽向へ向ける。
陽向「勿論先行った。
何たって、今日は朝から斗真が不機嫌でSHRをやるらしいからな」
琥珀「あー…そういえばそうだったな」
忘れてた。
…斗真が朝から不機嫌な時に遅刻すると、その日は1日中説教&反省文になるらしい。
それが、今日だった。
……まあ、別に俺は関係ねぇけど。
陽向「…それより、珍しいな。」
琥珀「……そうだな」
陽向「自覚あるんだ?」
琥珀「仕方ねぇだろ。俺だってこんなになるとは思ってなかったんだから」
主語のない、この会話を理解出来るのは、多分俺と陽向と向日葵くらいだろう。
珍しい。とは、俺が寝坊したこと。
俺は生まれてこのかた、一度も寝坊をしたことがなかった。(遅刻は大抵サボっているだけ)
…とは言っても、最近は何だか寝坊気味だ。



