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『ひま!』



『……、こーちゃん??』



場面は変わり、恐らく翌年だろう夏の夜。



真っ白い長袖のワンピースを着ている金髪で肩より下が赤髪の少女、"向日葵"は街灯の少ない公園のベンチに座っていた。



傍から見ればかなり異様な光景だろう。



夏に長袖、夜にまだ小さい子供、少女に異質な雰囲気を漂わせる空気。



何もかもが異質だった。



そして、そんな少女に声をかけた赤髪の少年、"琥珀"。



ごく普通の小学生、不可解なことは夜ということだけだろう。



『ひま!お前、こんな時間に何してんだよっ!?』



ただでさえ人通りの少なく、夜なんて真っ暗だというのに、顔色一つ変えない少女を見て、不審に思ったのだろう。



少年はその少女に見覚えがあり、慌てて声をかけた。



『…そうゆうこーちゃんは、?』



『俺はっ…ただの散歩だよ…ッ!』



あからさまに目を逸らした少年は、どう見ても散歩ではないだろう。



それに、少女も気がついたが敢えて何も言わない。



『…っつーか!お前は何してんだよ!!
しかも、こんなところで!!
ひまんちは真反対だろっ!?』



少女の家はこの公園からは真反対、それなのに何故?と、怒りを露にする少年。



それもそうだろう。



少女は、ただでさえ世間でいう美少女で、幼さは残るものの顔も整っていて、日本人離れした金髪で肩より下の赤色の髪、珍しい左が赤黒で右が銀のオッドアイ。