姫星「何言ってるの!百桃!!」



びっくりした。



他にも誰かがいるとはわかっていたけど、まさかママだったなんて。



しかも、ママは今なんて言った?



百桃、と名前を呼んだ。



…そこには、パパとママと、百桃がいるの‥‥?



どうして??それに、何故パパとママは百桃に怒っているの?



わけが、わからなかった。



けど、その後に聞こえた百桃の叫びでやっとすべての意味がわかった気がした。



百桃「…っしらないとでもおもってた!?
しってるよ!ずっとまえから!!


ぼくがぱぱたちの"ほんと"のこじゃないことくらい!!」



「「っっ!」」



希輝「‥‥え、?」



百桃が、本当の娘じゃない……?



なにそれ、どうゆう意味なの??



なんで?じゃあ私たちと百桃は本当の兄妹じゃないの??



訳が分からなく、頭が混乱するほどに、百桃の言葉は衝撃だった。



だって、ママとパパは否定しない。



ただただ百桃が叫ぶのを驚いたように息を呑んだだけ。



つまりそれは百桃が本当の娘じゃないって言ってるようなものじゃない。



…どう、して?



なんで他の子がこの家にいるの。



なんで他の子が来蘭と仲良く喋るの。



なんで他の子が本当の娘の私より愛されるの。



‥‥半年前、初めて感じたあの黒い感情が再び私の中をグルグルと回る。



なんで、どうして、



ただただ信じたくなくて、私は逃げるようにその場を去った。



頭がいっぱいいっぱいで、気がついたら朝になっていた…



そしてその日は、あの、7月12日だった。



眠れないまま日が昇り、少しダルい身体を起き上がらせてリビングに向かった。



ガチャ--



姫星「あら、今日は早かったのね。
おはよう。希輝」



智軌「お、早いな。」



リビングに居たのは、朝ご飯を作っているママと新聞を読んでいるパパの2人だけ。



けど、平日だから多分すぐにお兄ちゃんがおりてくるはず。



希輝「おはよぉ」



姫星「希輝、先に食べちゃいましょう。
アナタも座って。出来たわよ」



智軌「ああ。希輝、おいで」



ママとパパに招かれるまま、食事の並ぶテーブルへ向かい、パパの膝に座った。



「「いただきます」」



「まぁす」



一歩遅れて手を合わせ、目の前の食べ物に手を伸ばす。