ずっと不思議だった。



琥珀たちを命よりも大切に想う向日葵に対して、陽向はそれに気がついていないように見えた。



琥珀はそれに気がついているけど止められない。



止めたくても今は何か理由があって止められない、そんな感じがする。



だから琥珀は向日葵が無理をしないように見張っていた様な気がした。



でも、陽向はそれさえも気がついていない様な気がしてならない。



それは記憶がない今じゃない。



記憶喪失になる前だ。



『……お前には関係ない』



……最近、ずっと思っていたことがある。



もしかして、"向日葵は陽向の実の双子の妹じゃない"んじゃないか、って。



なんでって訊かれても、俺もなんでそう思うのかはわからない。



でも、兄妹にしては何処かおかしかったんだ。



『……もう用はねぇな。』



ずっと黙っている俺にもう用はないと電話を切ろうとする。



俺「ちょ、まっ…!!」



まだ訊きたいことがあるため慌てて止めようとするが、言葉を遮られる。



『お前は、青星の幹部だ
ずっとそこにいたければ二度と俺にそういう問いたてをするな。

お前に用はない。
せいぜいバレないように、な。"伊織"』