雷「お前、」



百桃「ごめんなさいっ……!」



「「「は、?」」」



雷が怒りを鎮め、百桃に話しかけようとすると、百桃が突然謝り出した。



百桃「ぼくの、っせいで……!!」



頭をがばっと下げ、そう続ける。



そこで、やっと百桃が言っている意味がわかった。



百桃は、葵絆が自分を庇ったから、謝ってるのだということに。



雷「なんで、、謝んだよ……」



百桃「‥‥ごめ、なさい…っ」



雷「だからっ!なんで謝んだよ!!


お前のせいなのかよ!!?
なぁ!百桃!」



あれは、百桃のせいじゃない。



そんなの、知ってる。そんなの、、わかってる。



…なのに、なんで百桃が謝る必要がある?



百桃を庇ったのは葵絆の意思であり、百桃のせいじゃない。



昏睡状態になったのだって、撃たれたことだけが原因がどうかなんてわかっていない。



…それなのに、何故、百桃が謝るんだ。



だってあれは"彼"のせいで、百桃のせいじゃない。



謝る必要なんて……ない、のに。



…知ってた、よ。



百桃が、こいつが、何も悪いことをしてなくたって、全て自分のせいにすることなんて。



…たった一年だけど、何度もあったから。



だから…だからこそ、今日、この言葉は許せなかった。



京「じゃあ!
あの男が言ってたのはホントなのか!?
百桃!答えろよ!!!!」



いくらあいつが百桃の知り合いだとしても、葵絆を撃ったのはあいつの意思だ。と



あの日の全てを、百桃のせいにしようとしたあいつが悪いのだ。と



そう、百桃に肯定して欲しかった。



あいつは、百桃のどういう知り合いなのか。



あいつは、何故百桃を殺そうとしたのか。



…百桃は何故、あいつに酷く怯えていたのか。



ただ、俺たちは知りたかっただけだったのに。



…何故、何も悪くない百桃を責めるような口調で言ったのだろう。



イライラしていたから。焦っていたから。どうしても知りたかったから。



……そんなの、何の言い訳にもならない。



俺たちに責めるつもりはなかった。



けど、冷静に、客観的に聞いていれば、明らかに俺たちが百桃を責めているように聞こえただろう。



実際、百桃にもそう聞こえたはずだ。



その証拠に、百桃は……



百桃「ごめんなさいっっ!」



さっきから、謝ることしかしていない。