別に、向日葵の言葉を疑っている訳じゃない。



けれどこれは、俺じゃなく青星の危機だ。



"ボス"は平気で嘘をつくから、もしもそれが上辺だけの納得だったら、青星が潰れる可能性だってある。



それだけは何としてでも避けたい。



『…問題ない。
俺が琥珀たちのいる"そこ"を潰すのを黙認するとでも思うか?』



俺「思わねーよ」



俺が向日葵を疑ってる訳じゃないのは分かってるらしく、冗談のように話すから、俺は真面目に即答した。



向日葵が琥珀たちのいるここが潰されるのを黙って認めるわけがないのは、向日葵と関わった奴らなら誰だって分かってる。



…だって、向日葵は琥珀と陽向を自分自身の命よりも大切に思っているんだから。



ここへ入る時俺らにした"忠告"も、瞬也さんたちにした"線引き"も。



全ては琥珀と陽向のため。



たった一人の"兄"と、幼なじみを想うからこそのものだった。



2人を裏切るのは許さない、と。



俺「…なあ、何でお前はそんなに琥珀と陽向を大切にするんだ。
何か、特別な思い入れでもあるのか」



これは、始めから思っていたことだった。