葵絆「希輝とは違う。
俺たち以外君のことは知らないし、もし君が姫になってもみんなには言わない。

俺たち幹部と先代"だけ"の姫になるんだ」



葵絆は子供だからといって子供に接するみたいに下に見ることなく、俺たちと同じように接する。



百桃「……希輝のばしょ、とらない??」



飛鳥「え?」



百桃「ひめの、希輝のばしょ……とりたくない…。僕は、、じゃまに、ならない…??」



志「百桃……」



自分がなりたい、なりたくないじゃない。



ただ、表の姫である希輝の邪魔になりたくない。姫の場所を取りたくない。



百桃は自分のことより希輝の立場を考えていた。



葵絆「邪魔になんてならないし、希輝の場所を取るわけでもない。
君には君の"場所"がある」



百桃「…僕の、、ばしょ……?」



葵絆「あぁ。俺たちにとって"護るべき者"の場所だ。君はただ俺たちといてくれればいい」



俺たちが嫌じゃなければ一緒にいてくれ。と座ったまま百桃に向けて頭を下げる葵絆に続いて、俺たちも頭を下げた。



顔を見なくてもわかる。



百桃はぽかんと口を開けて目を丸くしたまま俺たちを見ているのだろう。



なんで僕が、とか考えてるんだろうな……



何故かわからないけど、百桃は初めに出会った時から自分のことを低評価しすぎだから。



百桃「っ……ぃ…の??」



雷「え?」



百桃「…っほんとーに、ッ……僕で、、いーの・・・っ??僕なんかっ………!」



か弱い声が聴こえて思わず顔を上げると、百桃は泣いていた……。



本当に自分なんかでいいのか、後悔するかもしれない、と静かに涙を流している。



いつまでも、僕なんかが…と言っている百桃が見ていられなくなり、傍に行こうと立ち上がる直前に先越された。



ギューッ!



葵絆「…君がいい。……いや、"百桃"じゃなきゃ意味がないんだ。」



葵絆が小さいその身体を抱きしめ、充分百桃に聞こえる大きさで呟いた。



百桃「…っっ、き、ずな…さ………ッ」



葵絆「呼びやすいように呼んでくれていいよ。これからよろしくな、百桃」



百桃「ッ…!………きー、ちゃん…って、、よんでも…いい…??」



葵絆「おっ!初めてだ。
いいよっ!"特別"って感じがする!!」