ブーブーッ



俺「…っ」



制服のズボンのポケットに入っているスマホからの振動で、我に返った。



未だに振動しているということは、電話なのだろう。



焦って名前も見ずに電話に出た。



俺「もしもし、!?」



焦って出たはいいものの、ノイズ音だけで相手の声は聞こえない。



あれ?と思い、スマホを耳から離して名前を見ようとすると、ようやく声が聞こえた。



『……おい』



ここのところあまり聞いていない、女にしては高い声



俺「ッ…!?"向日葵"お前っ…」



『…今一人だな?自室か』



異様に耳の良い向日葵は、電話越しに俺以外誰の声もしないことで、一人で自室にいるとわかったらしい。



俺「あ、あぁ。何か用か」



部屋にある小さな冷蔵庫の中からビールを取り出し、ボスッとソファーに座る。



『……土曜の報告会、誰が来る』



俺「え?」



報告会??



…あぁ、確かに土曜日にあったな。



俺「…もしかしてお前土曜に来るのか?」



ずっと倉庫来なかった向日葵が、報告会に??



『……こっちが先に訊いてんだけど』



肯定も否定もせず、不機嫌そうに言われた。



そして、一つ溜息をついてから手に持っていたビールをテーブルに置いて、立ち上がる。